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医療経営Q&A

2010年3月 1日

Q.設備等は購入した方がよいですか?賃貸(リース)した方がよいですか?

A.設備等を購入するか、リースにするかは、リースのメリット・デメリットを十分に理解の上、その時の状況により検討する必要があります。

リースのメリット
  1. リース期間で均等償却を行い必要経費になる。
  2. リース期間は法定耐用年数より短い。
  3. 購入時の多額の資金が不要。
リースのデメリット
  1. 中途解約することができない。
  2. 購入に比べ支払合計は割高になる。
  3. 物件の所有権がリース会社にあるため、リース契約終了後も物件を使用する場合には、再リースか買取をしなければならない。
 一方、設備等を購入する場合には、一度に多額の資金を用意する必要があります。
ただし、購入後は定率法という減価償却を行うので、早い時期に多くの経費を計上することができます。また、購入の最大のメリットは、支払合計がリースに比べ少ないことです。
 購入にするか、リースにするかは、リースのメリットにいかに重きをおくかによります。
 ただし、自己資金に全く問題がないのであれば、購入の方が有利な場合が多いです。

2010年2月 1日

交際費の判定について

  • Q.毎日領収書の整理をしていますが、飲食や贈答品についてはどこまでが経費となるのかいつも迷ってしまいます。判断基準を教えて下さい。
  • A.飲食費や贈答品代については、交際費に該当するものが事業経費となります。
交際費の3要件 具体例
(1)支出の目的・・・「交際費、接待費、機密費その他の費用」 事業を円滑に経営していくための支出
(2)支出の相手先・・「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」 患者、提携病医院、薬局、出入り業者、出身大学の知人、医師会関係者、自院の勤務医・看護師・職員などの内部利害関係者
(3)行為の形態・・・「接待、供応、慰安、贈答その他これに類する行為」 お中元、お歳暮、旅行や食事への接待行為等
交際費は、上記の3要件を全て満たすものと規定されています。
従いまして、いわゆる事業主である院長自身の自己接待費、院長自身の家族との飲食費、事業遂行上関連性の乏しい親族や友人との会食代などの私的な接待交際費は家事費に該当するため、必要経費には算入できません。

(注)交際費として認められるものは事業経費となりますが、法人税の計算上は、経費として算入できる金額に限度が設けられています。
※交際費の損金算入限度額の計算
  1. 個人クリニック・・全額が経費として算入できます。
  2. 医療法人(旧来の持分あり)
    1. 資本金1億円以下・・定額控除限度額年600万円に達するまでの金額については支出額の90%を経費として算入できます。
      年600万円を超える金額については、経費として算入できません。
    2. 資本金1億円超・・・全額が経費として算入できません。
◎H19年4月以降に設立された基金拠出型医療法人については、資本金という概念がなくなりましたので、資本金に準ずる金額をもとに上記の判定を行います。
資本金に準ずる金額={総資産帳簿価額 - 総負債帳簿価額 - 当期利益又は当期欠損金額} × 60/100

2010年1月 1日

Q.レセコン購入費用の助成金制度について教えてください。

A. レセプトの電子化に対応していない保険医療機関や保険薬局は、レセプトコンピュータやソフトウェア等を購入する場合に購入費用の助成が受けられます。
また、既にレセプトの電子化に対応している医科診療所や薬局(病院・歯科診療所を除きます。)については、レセプトコンピュータを買い換えた場合に助成の対象となります。
【助成の範囲】 本体価格と初期設定費用及び送信用パソコンの購入費用までが対象となり、プリンタ及び月々のサポート費用は対象外です。
【期 間】 平成21年5月29日から平成22年3月31日までの間に契約されたもの
【助成額】
○レセプトの電子化に対応していない保険医療機関や保険薬局
下表の基準額と購入額×1/2のいずれか低い金額

対象経費 レセプトコンピュータの購入 ソフトウェアの導入
  • レセコン購入費用
  • 初期設定費用
  • 送信用パソコン購入費用
  • ソフトウェア等購入費用
  • 初期設定費用
  • 送信用パソコン購入費用








病院 (基準額 250万円) (基準額50万円)
医科診療所 (基準額50万円) (基準額40万円)
歯科診療所 (基準額50万円) (基準額40万円)
薬局 (基準額50万円) -

○既にレセプトの電子化に対応している医科診療所と保険薬局がレセプトコンピュータを買い換えた場合
基準額50万円と購入額×1/2のいずれか低い金額
【申請期間】 補助予定額(196億円)の範囲内で審査通過の先着順となります。
【その他の留意点】
  • レセプトの電子化を行うための『オンライン開始届』又は『代行送信を行うための届出』『レセ電開始届』のいずれかが提出されていない場合は認められません。
  • 契約書、納品書、領収書のない申請は認められません。
  • 買い換えによる申請の場合は、旧レセプトコンピュータを処分したことを証明できる書類の提出が必要です。
  • 助成申請は1回のみとなります。(レセプトコンピュータ・ソフトウェアの両方の申請はできません。)
  • 助成後5年以内に廃院等によって助成する理由がなくなった場合は、助成金を返還することとなります。
  • 助成は購入契約に限られるので、リース契約については助成の対象外となります。
  • ローン契約の場合は、契約書、納品書に加え、ローン契約の際の一部支払いの領収書の添付によって助成の対象となります。

2009年12月 1日

Q 親族から借入れをする場合の注意点を教えてください。

 

A 親や親類等から借入れをする場合には、第三者から借入れる場合と違い税務上注意しなければならないことがあります。それは身内であるために、借りたのではなく貰ったのではないかということで贈与として税金を課される恐れがあるためです。
  
贈与と認定されないためには次のような注意が必要です。
  まず第三者から借入れる場合と同じようにすることが重要です。例えば、自分が誰か他人にお金を貸すことを考えてみてください。後日「貸したよ」「いや貰った」等、もめないように、またいくら貸したのか分かるようにしておくと思います。
  そのために親族との間で契約書 を取り交わしておきます。契約書には借りた金額、弁済期限・支払方法等を記載し、それぞれが署名と押印をします。個人間の借入れであるため利息は支払わなくてもかまいません。また返済期間等も決まりはありません。
  大事なのは契約書通りに返済しているという事実です。ですから借入れたお金や返済したお金は、入出金の事実が確認出来るよう銀行を通じて行うようにして、現金でのやり取りはしないようにしてください。そして契約書は、ご自身の資金繰りを考慮し余裕を持った返済計画に基づいて作成されるのがよいと思います。
  また、開業資金に用意した資金が自己資金でも、親のものでも、資金の出所については税務調査の対象になる可能性もありますので、ご注意ください。

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2009年11月 1日

Q 窓口でもらう現金はどのように管理したらよいでしょうか?

A 窓口でもらう現金を管理するポイントは、窓口管理表を作成しその日の収入金額をそのまま通帳に入金することです。収入に関する現金の流れを示すと下記のようになります。
① 1日に必要な釣り銭の一定額を決め、毎朝その額をレジに用意しておく。
② レジとは別に経費の支払専用に小口現金を用意しておく。小口現金からの支払いは、領収書を保存し、日々残高を確認するようにする。
③ 1日が終了した時点で、最初の釣り銭を除いて、残りのレジ内の現金を封筒に入れる。
④ レジペーパーの現金売上と封筒にある現金が一致しているかを確認する。仮に不一致の場合には、原因を追及し、それでも不一致の場合には、「現金過不足」として窓口管理表に記入する。
⑤ 銀行にこの封筒を預け入れる。毎日銀行に行くのが無理な時には、1週間毎等一定間隔で封筒ごとに日付順で預け入れる。
※ 預入口座については、窓口入金専用にすると納税資金等の積立口座として活用することができます。

このように現金の流れをしっかりコントロールすることは、従業員の不正を未然に防ぐと同時に先生自身のプライベート費との区別に役立ち、結果として健全な医院経営への一歩を踏み出すことができます。又、税務調査における「売上計上漏れ」は、窓口収入の取扱が焦点になりますので、現金の管理には細心の注意を払うようにして下さい。

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2009年10月 1日

Q  当医療法人(基金拠出型医療法人)が寄附をした場合には、法人税法では、どのように取り扱われるのでしょうか?

  1. 医療法人が寄附をした場合には、その支出した内容により、原則として、全額を損金に算入できるものと損金算入に一定の限度額が設けられているものとに区分されます。
    寄附金は、法人税法では現金主義によって考えられている為、未払金に計上した場合には、その全額が損金不算入となります。この場合、その後実際に支出したときに、損金に算入されることとなります。また、仮払経理をしたときは、その支出した期の損金に算入されます。

【寄附の相手先による区分】
① 国、地方公共団体への寄附金
② 財務大臣の指定した寄附金
  (例)赤い羽根募金、中央募金会、日本赤十字社(一定のものに限る)など
③ 一般の寄附金
  (例)政治団体、神社・寺、宗教法人、町内会の祭費用など
④ 特定共益増進法人に対する寄附金
  (例)日本育英会、日本赤十字社(②に該当するものを除く)など

【寄附金の取扱い】

支 出 内 容 取 扱 い
損 金 算 入 損 金 不 算 入


国・地方公共団体に対する寄附金 全額 ×
財務大臣の指定した寄附金 全額 ×
一般の寄附金 限度額まで 限度額を超える部分
特定共益増進法人に対する寄附金 限度額まで (注)
 (注)特定公益増進法人に対する寄附金のうち、損金算入限度額を超える部分の寄附金は、一般の寄附金として取り扱われます。

【損金算入限度額の計算(基金拠出型医療法人の場合)】
上記図表の通り、国・地方公共団体に対する寄附金と財務大臣の指定した寄附金については、支出した全額が損金に算入されます。
次に、一般の寄附金と特定公益増進法人等に対する寄附金については、損金算入に一定の制限があり、下記の限度額の計算方法が定められています。

 <一般の寄附金の損金算入限度額>
   寄附金支出前の当期の所得の金額 × 2.5%

 <特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入限度額>
   A と B のうちいずれか少ない金額
    A ・・・ 支出した寄附金の額
    B ・・・ 特別損金算入限度額(当期の所得の金額 × 5%)

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2009年9月 1日

Q  個人事業から医療法人に移行しました。社会保険は必ず入らなければいけませんか?

A  医療法人の場合は従業員人数に関係なく、社会保険には必ず加入しなければいけません。
医療法人を設立後、保健所・関東信越厚生局の届出と同時期に社会保険の加入の準備をはじめてください。
尚、個人開業時代に医師国保に加入されている事業所さんは,健康保険適用除外認定を受け医療法人に移行されてもそのまま医師国保に加入を続けることができます。

社会保険の適用

社会保険
医療保険 年金
個人開業医
(従業員5人未満)
健康保険、厚生年金保険の強制適用事業所ではない
(従業員の半数以上の同意を得れば適用事業所となることが出来る)
○医師(事業主)・・・医師国保、国民年金
○従業員・・・・・・・・・国保(又は医師国保)、国民年金
個人開業医
(従業員5人以上)
健康保険の強制適用事業所
(健康保険適用除外認定を受け、
医師国保加入を続けることが出来る。)
厚生年金保険の強制適用事業所
(厚生年金保険の新規適用)
医療法人 健康保険の強制適用事業所
(原則 医師国保加入は出来ない)
厚生年金保険の強制適用事業所
○医師、専従者も被保険者となる
※社会保険の被保険者  1日または1週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が
                通常の従業員の所定労働時間および所定労働日数のおおむね
                4分の3以上である従業員


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2009年8月 1日

Q  当医院は、院内に公衆電話や自動販売機を設置しています。このような医業外収益について、注意すべき点があれば教えてください。

A  一般法人でいえばいわゆる雑収入で処理している内容がこれにあたります。
① 公衆電話・自動販売機収入等
 患者の便益を図るために医院内に自動販売機、公衆電話を設置した場合、または、消耗品やサプリメントを販売した場合には、医業外収入として収益計上します。これらの収入は、多くの場合が現金取引により生じ、小口で頻繁に行われます。収入管理表を作成するなどして、計上漏れがないようにご注意ください。
② 副産物収入
 例えば歯科の場合、金歯を作成した際に生じた金の屑を業者が引き取り、その仕入代金と相殺している場合がこれに該当します。この場合には費用・収益を両建てすることが必要になります。
③ リベート
 医薬品や医療機器の購入業者その他、医療行為に関連して付き合いの生じるさまざまな人から金銭によるリベートを受け取ったり、院長などに対して不相当に高額な物品が贈与されたりする場合があります。この場合には、医業外収入として収益計上します。これらは、請求書・領収書等が残りづらいことから、税務調査において計上漏れが疑われやすい項目となりますのでご注意下さい。

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2009年7月 1日

Q  患者さんから窓口負担金5万円の支払いを受けました。その際に発行する領収書に印紙の貼付は必要なのでしょうか。

A、医師や歯科医師が業務上作成する受領書(領収書)には金額の多寡に関係なく印紙の添付は必要ありません。

 商売などに伴い売上代金に係る金銭の領収書を発行した場合、1通につき3万円以上の記載のあるものはすべて印紙を添付し、印紙税を納税しなければならないことになっています。そのため、よく3万円未満の領収書には印紙は不要で3万円以上の領収書には印紙を貼付しなければならないと言われている訳です。
 しかし、医師や歯科医師がその業務上作成する領収書は、税務上「営業に関しない領収書」として取り扱われ、印紙税の納税義務が生じないこととされています。
 すなわち、医療機関が患者さんから診療代金の支払いを受けた場合には印紙を貼付けしなくてもよいということになります。

2009年6月 1日

Q 電子カルテシステムを購入しようと考えていますが、何か税務上のメリットは受けられるのでしょうか?

A電子カルテシステムを取得した場合には、一定の要件を満たせば税額控除という税務上のメリットを受けることができます。
ただし、この控除は、ソフトウェア部分についてのみ受けることができる控除となりますので、一体として請求書等に金額の記載がある場合などは、購入の際にハード部分とソフトウェア部分とを区分してもらうことが必要になります。

以下の要件を満たせば、税額控除を受けることができます。
【情報基盤強化税制のポイント】
① 対象資産
・ 基本システム
・ データベース管理ソフトウェア
・ 連携ソフトウェア
・ ファイアウォールソフトウェア(上記ソフトウェアと同時取得分に限る)
※ ただしISO/IEC15408に基づき認証されたものに限る

② 金額要件(資本金1億円以下の青色申告法人の場合)
・ 取得価額 70万円以上

③ 税額控除額
・ 取得価額×70%×10%
 ※ 上限は法人税額の20%。ただし、超過分については1年に限り繰越すことが可能

2009年5月 1日

Q 医療法人ですが、福利厚生の一環として会員制リゾートクラブの入会を検討しています。利用について何か注意する点はあるでしょうか。

A 会員制リゾートクラブについては、保養所を設けるよりも経費が削減できメリットもございますが、利用上の問題点も踏まえたうえで入会を検討することが大切です。
  また、施設の利用形態により税務上の取り扱いも異なりますので、運営については注意が必要です。

(1)利用について
例えば、平日は空いているが連休には使えない等、オンシーズンの利用について利用可能な日数が制限されているケースがあります。また利用者の範囲や料金も施設によって様々です。
使いたいときに使えない、料金も通常と変わらないなど等不評とならないためにも、スタッフのニーズを満たす条件での契約・運営が望まれます。

(2)税務について

入会金 年会費等
法人会員 資産計上(注1) 使途に応じて
   福利厚生費
   給   与
   交 際 費
   として扱われます。
        (注2)
個人が負担すべきもの・・・給与
個人会員 給  与
法人会員制度がないため個人で入会し、
法人の業務上必要であるとき
・・・資産計上(注1)


 (注1)
 資産計上したレジャークラブの入会金は、原則的に償却できませんが、会員の有効期間の定めがあり、かつ、脱退時に入会金相当額の返還を受けることができない場合には、有効期間で償却することができます。

 (注2)
原則的に以下のように取り扱われます。
〇役員・従業員が一律に利用できる状況であれば利用料などは福利厚生費として処理できます。
〇特定の役員・従業員しか利用できない状況であれば、料金はその特定の方の給与として処理されます。
〇得意先等の接待で利用される場合には、交際費として処理されます。

   ご質問のように、福利厚生の一環として導入される場合には、皆さんが一律に利用できる状況が前提となります。利用規程を作成し、施設の利用方法等を定めて周知させると良いでしょう。

2009年4月 1日

Q 開業までにかかった経費について注意すべきことを教えてください。

A 開業までにかかった経費についても、開業後の必要経費同様、医療収入から差し引くことができます。ただし、「開業準備のために特別に支出する費用」でなければならないので、後日においてもそのことが説明できるように、領収書・請求書を台紙に貼り付けて保存するようにしてください。

  ①交通費
     診療所の下見や保健所等への移動のうちタクシー代など領収書 のあるものは、何の目
    的で移動したかを記入するようにして下さい。電車やバスなど領収書のない交通費は、
   パスネッ ト等を購入し、使用済みカードを保存してください。

   ②打合せなどの飲食代
      開業のための打ち合わせなどの飲食代も開業後に経費とすることができます。ただし、
    個人的な支払いとの区別がつきにくいので「いつ、誰と、何の目的」で支払いをしたのかを 
    記入するようにしてください。

  ③その他の領収書
     例えば、診療所を借りる際に手付金を支払ったが別の物件に変更したなどの違約金等
    も開業後に経費にすることができます。このような場合や経費になるか不明な時などは、
    領収書だけではなくどうして支払いが生じたのかを明らかにできる資料も保存するように
    し、税理士等にご相談してください。

2009年3月 1日

Q:カルテや診療に関係する書類の保存期間は何年ですか?

A:カルテの保存期間は「5年」です。
(医師法第24条)に、次のように記載されています。診療録がカルテのことを指しています。
「第1項 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
第2項 前項の診療録であって、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。」

   又、診療録以外の書類については、「3年」と考えていただく方が無難です。ここで、無難としましたのは、医師法等には2年の規定があります。しかし、大多数が保険診療であることを考慮し、次の(保険医療機関及び保健医療療養担当規則第9条)に
「保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし患者の診療録にあっては、5年間とする。」
 とあることから、各種書類の保存期間は「3年」と考えておく方が無難といえるでしょう。診療日誌、手術記録等が挙げられます。

 但し、5年間経過したからすぐに廃棄しても構わないとは言い切れない、というのが現実的ではないでしょうか?又、「完治の日」という点にも注意を払う必要があることでしょう。

2009年2月 1日

Q 事業用の車両を下取りに出し新車を購入しましたが、下取りに出した車両の取扱いはどうなりますか。

A 事業用として使用されていた車両の下取りは、下取りされた金額によって車両を譲渡したこととなる ため、譲渡所得として取り扱われます。
  そのため、所得計算により損失が出た場合でも事業所得の必要経費とはなりません。
  ただし、事業用の車両の譲渡損失は、他の所得と「損益通算」が認められるため、事業所得と差引き計算することができます。

  譲渡所得は以下の算式により計算されます。

  (下取価額)-(取得費※1+譲渡経費)-(特別控除の額※2)=譲渡損益

  ※1車両の取得価格から下取時までの減価償却累計額を控除した未償却残高
  ※2譲渡益に対して50万円(譲渡益が50万円以下のときはその譲渡益の金額)

  なお、譲渡所得は、譲渡した資産の所有期間が5年以内か5年を超えるかにより短期譲渡と長期譲渡に区分されます。
  短期譲渡所得の金額はその全額が損益通算の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が損益通算の対象になります。

  《その他の注意事項》
  *車両を譲渡した場合は、その譲渡金額が消費税の対象となるため、課税事業者についてはご注意ください。
  *下取りに出した車両が、スクラップ化して素材にするしか価値がないという場合については、その損失は譲渡所得の損失とはならず、事業所得の必要経費となりますので、上記の場合と取扱いが異なります。

2009年1月 1日

Q:医療費控除を受ける際にその年に支払った医療費から保険金等で補填される金額を差し引いた金額が医療費控除の対象になると聞きましたが、差し引かれる保険金とはどのようなものがありますか?

A:医療費控除額を計算する場合その年に支払った医療費の合計金額から保険金等で補填される金額を差し引かなければなりません。その控除後の金額が10万円を超えた場合医療費控除を受けることが出来ますが、控除される保険金等の内容は間違いやすいので注意しましょう。

医療費から差し引かなければならない保険金等
① 保険会社等から支払を受ける医療保険金
   例)医療保険金・入院給付金・障害費用保険金
② 療費の補填を目的として支払われたもの
   例)損害賠償金・組合等の給付金
③ 健康保険から支給される療養費・一時金
   例)出産育児一時金・配偶者出産育児一時金・家族療養費等

医療費から差し引く必要がない保険金等
① 出産のために欠勤した場合に支払われるもの
   例)出産手当金
② 健康保険から支給されるもの
   例)傷病手当金
③ 生命保険会社から支払をうけるもの
   例)休業補償金・重度障害保険金・死亡保険金

医療費控除の対象となる医療費には様々なものがあります。事前に何の支払が医療費控除の対象になるかを確認すると共に領収書の保管にも気を付けましょう。

2008年12月 1日

Q 消費税は患者から頂くのでしょうか?

  1. 医院の収入については消費税がかかるものと、かからないものがあります。消費税がかかるものについては患者様から消費税を預ります。
消費税がかかるもの 消費税がかからないもの

健康診断

診断書作成

予防接種

美容整形

人工妊娠中絶            など


社会保険診療

公費負担医療

労災

自賠責

妊娠検査・分娩費用        など



 また、学校医等の報酬は「給与所得」となり消費税がかからないものとなります。
一方、自動販売機や物品の売上、駐車場を貸して得る収入などは、消費税がかかるものとなります。
 患者様からお預りした消費税は、診療所以外の所得が以前からある場合は別ですが、開業して2年間は消費税を納める義務はありません。これは納めるかどうかの判定期間が2年前の年になるためです。3年目以降は基準期間である2年前の年の収入のうち「消費税がかかる収入」が年1000万円を超える年は翌年3月31日までに申告し納税しなければなりません。平成18年の「消費税がかかる収入」が1000万円を超えた場合には平成20年は消費税を申告するということです。
 前々年の「消費税がかかる収入」が5000万円以下の年は、簡易課税という簡便的な方法を選ぶこともできます。選択する場合には一定の期日までに届出の必要がありますので、税理士等にご相談下さい。

2008年11月 1日

Q・職種別の給与について、時給について他のクリニックが一般的にどのくらい支給しているか教えてください。

  1. 当事務所で担当しているクリニックのデータを集計したものが以下の通りになります。
    あくまでも目安としてご参考にしてください。

・職種別平均時間給データ
当事務所関与先データ (関東エリア)                       (単位:円)
syokusyu001.gif
※当事務所平均データであるため勤続年数により多少異なる場合があります。



・看護師、事務受付 勤続年数別時間給
                                             (単位:円)
kinzokunensu002.gif

2008年10月 1日

Q・毎年行っている「実地棚卸」の必要性を教えてください。

A・医療法人の場合は、各決算期末に、個人クリニックの場合には、毎年12月末に棚卸を行います。これは、事業年度ごとの売上原価を正確に把握するために行われます。
(売上原価は、期首棚卸高+期中仕入高-期末棚卸高の算式により求めることができます。)

そのほかにも、実地棚卸により、棚不足などの実在把握、医薬品などの有効期限の確認をすることができるため、基本的に実地棚卸を省くことはできません。

◆棚卸のポイント

●「棚卸資産」の範囲
 クリニックの棚卸資産には、以下のような「薬品」や「診療材料」などが該当します。
 ①薬品
 ②診療材料(レントゲンフィルム・ガーゼ等)
 ③医療消耗備品(注射針等)
 ④その他

●「実地棚卸」の方法
 「実地棚卸」は「棚卸表」に、商品の数を記入することにより行います。
 決算期末に、棚卸表を作成しましょう。
 簡単に思える在庫の数量の把握ですが、実際はとてもミスが起きやすいものです。
 以下に棚卸表のサンプルを載せますのでご参考ください。



 
一般的な棚卸表の書式
棚 卸 表

○○クリニック


実施日 場所

作成者 承認印
商品名 数量 単価 金額 摘要
○○○ 200 50 10,000
○○○ 10 50 500

2008年9月 1日

スタッフの年次有給休暇の対応について教えてください。

  1. 有給休暇は労働基準法で認められた労働者の大きな権利です。有給休暇の取り扱いに関して、 後々のトラブルとならないためにも、管理者の方が運用についてルールを知っておかれるのは大事なこ とです。
   【有給休暇の付与】
  有給休暇が付与される条件は、
  1. 6ヶ月間継続して勤務すること
  2. 全労働日の8割以上を出勤していること
以上の2点です(正社員だけでなく、パート・アルバイト・嘱託等の勤務形態についても同様です)

   有給休暇の付与日数に関しては、勤務形態により次のようになります。


① 一般の労働者(週所定労働日数が5日以上又は週所定労働時間が30時間以上)
継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5~
付与日数 10 11 12 14 16 18 20
 
② 週所定労働時間が30時間未満の労働者
週所定
労働日数
年間所定
労働日数
継続勤務年数
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5~
4日 169~216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121~168日 5 6 6 8 9 10 11
2日 73~120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48~72日 1 2 2 2 3 3 3

【時季変更権】
  有給休暇は、労働者が指定した時季に与えなければなりません。そこで有給休暇により事業の運営を妨げる場合には、使用者に時季変更権が認められています。
ただし、従業員の大半が同時期に請求した場合など、判例等の動向をみても限定的です。合理的な理由が無い限り、付与しなければならないと考えた方がよいと思われます。

【計画的付与】
  一方で、年次有給休暇の計画的付与という制度があります。これは、従業員の有給休暇のうち5日を超える部分については、いつ使用するのかを事前に決めてしまう方法です。この計画的付与を導入する場合には、就業規則に規定すること、労使協定を締結することが必要ですが、労働基準監督署への届出は不要です。
 付与の方法としては、例えば事業場全体の休業による一斉付与、班別の交替制付与、年次有給休暇計画表による個人別付与等が考えられます。
 有給休暇の取得者に対する不利益な扱いは禁止されています。権利は権利として認め、行使する 側も状況に配慮できるバランスのとれた職場作りが重要です。

2008年8月 1日

個人で開業していますが、妻に給与を支払うことが出来ますか?

A.生計を一にしている配偶者やその他の親族が診療所経営に従事した場合に支払われる給与は原則として必要経費にはなりません。
 しかし、青色申告者の場合は配偶者やその他の親族を青色事業専従者として届出を出すことによって必要経費に参入することが出来ます。

専従者給与の条件
 ①青色申告者と生計を一にする配偶者またはその他の親族であること。
 ②その年の12月31日現在で15歳以上であること。
 ③その年を通じて6ヶ月間を越える期間その青色申告者の営む事業に従事していること(一定
  の場合には事業に従事する事が出来る期間の2分の1を越える期間従事すること)
 ④青色申告専従者の届出を支給する年の3月15日までに提出していること(新規開業の場合
  は、開始してから2ヶ月までに提出)

専従者給与の適正額
   青色専従者に支給する額は、所得税法によりますと『その労働の対価として相当な金額であること』とあいまいな表現となっています。
 しかし、金額に妥当性を持たせる為に以下の点に注意して支給額を決める必要があるでしょう。
 ①勤務実態や執務内容を考慮した適正な金額であること。
 ②専従者の年齢、資格、従事期間に見合った金額であること。
 ③支給額が他の職員と比べて著しく高くないこと。
 ④同じ規模の医院と比較して著しく高くないこと。
 一般的に専従者給与は他の職員と比べると通常の業務の他、給与計算や会計業務の記帳、医院の資金繰り等を行うという理由により高額になることもあります。
 この場合には、タイムレコーダーにより出勤確認をすることはもちろんのこと、業務内容を明確にする為に業務日誌をつけておくこと、会計帳簿の記帳をすることによって筆跡確認も行えるというように、その後の税務調査の為に勤務実態を実証するための資料を残しておくことが重要といえます。

2008年7月 1日

クリニックで社員旅行を考えています。どの位までの範囲であれば経費になるでしょうか?

A.日頃クリニックの為に頑張ってくれている従業員さん達の息抜きや、やる気を出させる為、または親睦を深める為に効果的な方法の一つとして社員旅行を催しているクリニックも多いと思います。
 クリニックで従業員の慰安旅行を行った場合には、一定の要件を満たせば旅行に関する費用を福利厚生費として経費に計上することが出来ます。
 ただし、必要用件を満たさない場合は従業員さんの給与課税となることもありますので注意が必要です。

経費となる要件
① 旅行期間が4泊5日以内であること。
  海外旅行の場合には外国での滞在日数が4泊5日以内であること。なお、機内での寝泊り        は1泊に含めなくても大丈夫です。
② 従業員さんの参加割合が50%以上であること。
  参加対象者を医療法人の理事や正社員のみと限定しての社員旅行は福利厚生費となりません。また、自己都合による不参加者に対して、その参加に代えて金銭を支給してしまうと、旅行に参加するか金銭の支給を受けるかという選択が出来ることになるので、参加者・不参加者ともに給与課税の対象となってしまいますのでご注意ください。
③ 社会通念上、一般適に行われている程度の金額であること。
  金額的にいくらぐらいが妥当かについては法令上明記されておりませんが、実務上は従業員さん一人当たり、クリニック負担金額が10万円程度であれば給与課税されないと判断されています。高額な社員旅行費は給与及び医療法人の役員の場合は役員賞与、または、交際費として扱われることもあるますので注意が必要です。
(所基通36-30、37-17~19)

 皆で行く社員旅行です。従業員さん達が満足できるよう、計画を立てる前に要件を確認し、楽しい社員旅行にしましょう。

2008年6月 1日

所得税と個人青色申告について

Q 青色申告にすると税金上どんなメリットがあるのでしょうか。

A ① 青色申告特別控除の適用
     複式簿記による帳簿書類または簡易帳簿を作成することを条件として所得金額から65万
   円または10万円を控除することができます。
  ② 純損失の3年間の繰越控除
     確定申告で損失申告することにより、損失が発生した年の翌年以降3年間において損失
   の繰越が可能となります。たとえば開業年度において赤字となり損失申告をしたとします。
   翌年において利益が出た場合、利益と繰越損失とを相殺することにより税金が少なくなりま
   す。
  ③ 青色専従者控除の適用
     事業主と生計を一にする配偶者及びその他の親族に対して支払う給与について、その金
   額が適正であれば全額必要経費となります。なお、青色専従者給与の適用を受けるために
   は、「青色専従者給与に関する届出書」の提出が必要となります。
  ④  その他約50項目における特典があります
  このように、青色申告を行うことによる最大のメリットは‘税負担の軽減’です。青色申告の特典を受けるためには複式簿記による帳簿書類の作成や書類の保存(7年)などをしなければなりませんが、日々の経営管理を行っていく上では必要となります。
  また、青色申告を行うためには「所得税の青色申告承認申請書」を下記の提出期限内に所轄税務 署長に提出しなければなりません。
   ・青色申告を行おうとする年の3月15日まで
   ・新規開業の場合 1月1日~1月15日以前に開業する場合→その年の3月15日まで
               1月16日以降に開業する場合      →開業日から2ヶ月以内

2008年5月 1日

医療法人の決算書の開示について

Q 平成19年の医療法改正で「医療法人の決算書」を誰でも閲覧できることとなったと聞いたのですが、その具体的内容について教えて下さい。

A 医療法改正に伴い“医療法人の公益性・公共性の観点”から、不特定の第三者が医療法人の決算書類を閲覧できるようになりました。医療法人を管轄する各都道府県の窓口にて閲覧請求の手続を踏めば、過去3年間の決算資料を閲覧できるというわけです。医療法人は厚生労働省から公表されているひな形(病院か診療所かによって要求されるレベルが異なってきます)を参考に、決算書類を作成すればよいことになっています。

  診療所の場合、貸借対照表は資産・負債ともに流動・固定のそれぞれの区分の合計額、損益計算書は事業収益・事業費用のそれぞれの合計額を記載すれば済みます。つまり具体的な費用構成まで開示する必要はありません。
  医療法人にとっての利害関係者(患者・従業員・銀行・取引業者など)が大まかな数字とはいえ決算書を閲覧できるということで、医療法人にはこれまで以上に経営の透明性・決算の正確性が求められることとなります。

  この制度は平成19年4月1日以後に開始する事業年度の決算から対象となります。 なお作成された決算書は“監事の監査”を受け、監査報告書と共に事業年度終了日から3ヶ月以内に都道府県知事に届け出なければなりません。

2008年3月31日

個人診療所の事業所得について

個人診療所の所得は、事業所得となり確定申告をしなければならないそうですが、どのように計算するのですか?

個人診療所の経営も事業の一つです。事業から生ずる所得を税務上「事業所得」といい、事業所得の金額はその年の総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
事業所得の金額 = 総収入金額 ― 必要経費
事業所得にかかる所得税は収入から必要経費を差し引いた金額が対象となりますので、差し引く必要経費が多くなればなるほど安くなります。したがって使った経費は漏れがないように必要経費に計上することが所得税を安くするポイントとなります。

 しかし、個人事業の場合、事業上の支出とプライベートの支出が混在してしまう部分があるため、必要経費に該当するかどうかの判断は非常に難しい側面があります。

 必要経費とは事業所得の計算上、収入を得るために直接に要した費用のことをいいます。つまり必要経費に該当するかどうかは収入を得るために直接必要なものかどうかによって判断するということになります。
経費科目 経費にできるもの 経費にできないもの
租税公課 事業税、消費税、固定資産税などの税金 所得税、住民税、相続税、自宅の固定資産税・不動産取得税などの税金
水道光熱費 診療所にかかる電気代、ガス代、水道代 自宅にかかる電気代、ガス代、水道代
接待交際費 事業上必要な、取引先を招待した場合の飲食代、取引先に対する中元・歳暮などの費用 営業関係のない、親族・友人との飲食代などの費用
諸会費 同業者団体、商店会、組合などの会費 同窓会や趣味のための会費
支払利息 営業上の資金や医療機械購入のための借入金に対する利子 自宅建築等のための借入金の利子
なおガソリン代、自動車税、高速代などの支出は、事業上自動車を使っている場合のみ、事業のために使っている割合だけ必要経費に算入することができます。

2007年12月14日

税務調査における注意点

  1. 収入の経常もれ
    医業収益の計上は税務上、診療給付をもって、その請求可能金額を計上しなければなりません。実際の現金入金だけでなく、決算日現在までの診療分を医業未収入金として、収入としなければなりません。
    1. 窓口入金の処理
    2. 自由診療収入
    3. 雑収入
  2. 給与金額の妥当性
    1. 個人事業の場合、専従者給与の業務内容により金額の妥当性が求められます。一般の従業員の金額を基準に調整し、業務の内容や作業日報などを作成しておくとよいでしょう。
    2. 医療法人の場合、理事長や理事は支給限度額が社員総会や理事会で定められているので、その範囲内であるかどうか。毎月定額であるかどうかです。
  3. 交際費はどこまで認められるか
    交際費とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で、医療法人がその得意先、仕入先、その他事業に直接又は間接に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいます。
    1. 交際費となるもの、ならないもの
    2. 交際費損金不算入
  4. 修繕費と認められるもの
    修繕費とは、既存の固定資産について、老朽化等が進んだりした場合に、元の状態に復旧するための費用のことをいいます。
    例えは
    1. 外壁の全面塗り替えや
    2. 家屋の床の破損部分の取り替え、自動車タイヤの取り替え等は修繕費に該当します。これに対して、資本的支出となる建物の追加工事や用途変更の為の増改築等については固定資産として計上し、減価償却することとなります。

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